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(1)主要寸法の想定
昭和55年2月より昭和57年6月までに竣工した499総トン型貨物船の主要寸法等を日本船舶明細書(昭和48年版)により調べ、Cl,C2,C8、寸法比等を算出し第2−1表、第2−2表を作成した。
先に、“1.1学習指導書の内容”で述べた事情から、本試設計を行った当時の旧法499総トン型貨物船で最大のCNを有する公団共有船を探すと、その主要寸法は
50.m8x9.m3x4.m6(CN=2,173.m)
コンテナの間隙は幅方向は125mm(5インチ)、長さ方向は75mm(3インチ)程度が普通である。コンテナの積付けを幅方向3列とすると。倉口の幅は(2.m435x3)+(0.m125×4)=7.m805以上、従って船の幅は9.m5程度が必要最限の値である。
次にコンテナの行(長さ方向の数)の変化に伴う倉口の所要長さは、

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旧法499総トン型貨物船は一般に貨物倉の長さは65%L、倉口の長さは貨物倉の長さの87%程度である。

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L=50.m8では倉内3列9行2段、甲板積3列9行1段として、コンテナ積載数は81個以下、上甲板上ハッチ・コーミングの高さは1.m5以上となり、コンテナ積載数不足と総トン教超過となる。
それでは8’×8’×10’コンテナ100個積載可能の旧法499総トン型は船主要求が過大なのではないか、と考えるとこれは運航採算面から算出された数字で、100個積載可能でないと本計画船は成立しない。ここで無理な船主要求として詰めないで、次のような新規な着想をして設計を進めることにした。
そこで、第2−3表および第2−1図に示す北欧諸国で建造されている波トン開口を有する遮浪甲板型貨物船をみると甲板間の積量を除いて500総トン未満となっている。この船型は主要寸法と載貨重量からみて8’×8’×10’コンテナ100個積載が可能のようである。

 

 

 

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